

人生の半分以上をアウトレットに彩られて
STAFF STORY #8
荻嶋 美晴さん 久世福商店
Jul 11,2025
2000年7月に開業し今年25周年を迎えた日本を代表するショッピングリゾートに、皆さんはどんな思い出を持っていますか?御殿場プレミアム・アウトレットで働く人の、知られざる素顔にフォーカスする「STAFF STORY」。今回の特集では、開業当初からアウトレットで働き続けるなか、結婚・出産・育児といった様々なライフイベントを経験した、一人のスタッフを紹介します。
25年間、変わらぬ笑顔のおもてなし
「私は人と話すことが好きで販売員になりました。安心してお買い物ができるように、常に笑顔でいることを大切にしています。お客さまが驚いたり、感動した顔を見せていただけるような接客を心がけています」

親しみやすい笑顔で接客への思いを話してくれたのは、“日本各地から厳選された逸品”のセレクトショップ「久世福商店(くぜふくしょうてん)」で販売員を務める荻嶋美晴(おぎしま みはる)さん。小学生の一人息子に惜しみない愛情を注ぎながら、夫婦共働きで仕事と家事の両立に奮闘しています。
「お客さまに商品を紹介する前に、できる限り自分で試すようにしています。自分が使ったからこそ分かる感想や美味しい食べ方をお伝えしたり、意外性のある組み合わせをご提案すると喜んでいただける。それが私にとって一番嬉しい瞬間です」
運命を変える決断は、社会人デビューの年に
御殿場市内で生まれ育った荻嶋さん。幼い頃からおしゃべりが大好きで、両親からは「本当によく話す子だったね」と言われていたといいます。人と接することが好きだったため、自然と接客業に就きたいという思いを抱くようになりました。しかし、就職活動では理想とする企業に出会うことができず、高校卒業後は医療関係の仕事に就職。接客への思いを心に残しながら日々の業務に励んでいたところ舞い込んできたのが、御殿場プレミアム・アウトレット開業の知らせでした。

「御殿場プレミアム・アウトレットが2000年の7月にオープンすると聞いて、就職した会社を2ヶ月ほどで辞めて応募しました。当時はまだ、アウトレットという言葉自体よく分からなくて“余り物を売る場所”という間違ったイメージを持っていました。それでお店が成り立つのだろうかという不安もありましたが、接客業に就きたいという想いがあったので、今よりも自分が望む姿に近づくことができると考えて転職を決めました」
社会人1年目の大きな決断。無事に面接を通過した荻嶋さんが配属されたのは、生活雑貨や衣類などを扱う有名ブランドの店舗でした。仕事は商品の品出しやレジ業務が中心でしたが、お客さまとの限られた会話の時間を大切にし、同期入社のスタッフと励まし合いながら充実した毎日を過ごしました。
「開業当初は日本のお客さまが多く、インバウンドのお客さまはほとんどいらっしゃいませんでした。もともと遊園地があった場所にアウトレットができたので、当時はまだプールやスケートリンクの名残りがあったのを覚えています。周りに桜も咲いていて、休憩中にスタッフみんなとお花見しながらご飯を食べたり、ジェットコースターに乗ったのが良い思い出です」

「いまホテルが立っている高台には観覧車もあって、昔はランドマークとして親しまれていました。窓からは御殿場の街並みや富士山がしっかり見えて、とても景色が良かったです。乗車した思い出のあるお客さまも多いのではないでしょうか」

変化を味方に、磨き続けた接客スキル
入社から8年が経った頃、荻嶋さんは衣服のリーダーとして商品管理や売り場作りなど責任ある仕事を任されていたものの、店舗が閉店。同じブランドの別店舗で働く選択肢もありましたが、レジ業務よりも、もっとお客さまに接しながら商品の魅力を伝える“接客”がしたいという思いから、アウトレットに残る道を選びました。新たな職場となったのは、自身が扱ったことのないブランド腕時計の販売店。これまでと異なる客層に戸惑いながらも“接客のいろは”を学ぶ経験に出会います。
「最初はどうやって話しかけたら良いか分からず苦労しました。お客さまの様子を見て“話しかけられたくないかもしれない”と勝手に決めつけていました。そんな時に当時の店長から『一人でゆっくり見たい人なのか違うのか見極めるために、まずは話しかけたらええねん』と言われて、確かに言葉を交わさなければお客さまが何を考えているかなんて分からないなと思うようになりました。それからは話しかけることが怖くなくなり、緊張せずに接客ができるようになりました」
お客さまとの会話を通して、その想いにも寄り添う接客を心がけるようになった萩嶋さん。およそ3年半着実に成長を続けると、さらなるスキルアップを目指し、いわゆるハイブランドの接客に挑戦することを決意。御殿場プレミアム・アウトレット内にある、洗練された北欧デザインを特徴とするブランド食器の店舗に異動しました。
「30歳の節目を前に、より長く一人ひとりのお客さまと向き合う接客がしたいと思い異動しました。高価格帯のお店だったので、商品の魅力をきちんと伝えなければ、なかなか購入していただけないんです。先輩スタッフも今までとは全く異なるタイプの人ばかりでしたので、礼儀作法や言葉使いも学ぶことができ人生の勉強にもなりました」
大切な思い出が、全て詰まった“ホームタウン”
「アウトレットで働くなか、ライフステージが大きく変わっていきました。時計屋さんで一緒に働いていたスタッフには主人との恋を応援してもらい、その後結婚。北欧食器のお店で働いている時には子どもも生まれました」

結婚と出産を経て一児の母となった荻嶋さんは、おもちゃ販売店へ異動しました。店長から『子育て中のママはどう思う?』などの意見を求められることが嬉しかったといいます。そんななか、アウトレットでは“働くママ”を応援する新たな取り組みがスタートしました。

「初めてアウトレットに保育園が開設されて、息子も一期生として入ることができました。お店のすぐ近くだったので、息子を預けてそのまま出勤することができて非常に助かりました。天気がいい日は園児たちがアウトレット内をお散歩することもあって、息子がお店の前を通った時に手を振ったりして元気をもらっていました」

2017年9月、御殿場プレミアム・アウトレット内に保育園が開設。自らが慣れ親しんだアウトレットという“街”の中で、地域の人々に温かく見守られながら子育てをしているような感覚があったといいます。
「ママ同士もほとんど店舗スタッフなので顔見知りになるんですね。今でも『子どもとよく歩いてたね、大きくなった?』と声をかけていただくことがあります。息子はアウトレットで働く皆さんに見守られながら育ったんだなと思うと不思議な感じがします」
生まれ変わっても、きっとアウトレット

2020年6月のヒルサイドエリアのオープンをきっかけに、縁あって現在の勤務先である久世福商店へ異動した荻嶋さん。大好きな“おしゃべり”を通じて積み重ねた経験により、いつしか接客のスペシャリストとなりました。今では自らもファンだという”さつまいものジャム”や、子育て世代向けの商品の魅力を伝えるなど、お客さまの食生活を豊かにするお手伝いをしています。最後に、御殿場プレミアム・アウトレットとともに25周年を迎えた今の心境、そしてこれからの目標についてお話を伺いました。

「子どもはまだ8歳ですが、大きくなったらアルバイトでも良いので御殿場プレミアム・アウトレットで働いてもらいたいと思っています。色々な人に出会えるし、様々な勉強もできる。働く厳しさも、楽しい瞬間も、全部が揃っている場所。でも、私は意外と仕事には厳しくて、一緒に働くと怒ってしまいそうなので、他のお店で働いて欲しいかな」

「本当に人生の半分以上を、このアウトレットで過ごしていますが後悔は一つもありません。18歳で社会人になり、結婚・出産もして、息子はアウトレット内の保育園に通わせていただきました。できれば、この場所でずっと働いていきたいですし、子育てが落ち着いたらフルタイムで、より責任のある仕事をしていきたい。いつまでも、お客さまを笑顔でお迎えしたいと思っています」
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