

心が晴れやかになる私なりのアウトドアライフ
STAFF STORY #5
岩瀬 寿々香さん Mammut
Oct 10,2024
専門的な知識を持つスタッフの的確なアドバイスのおかげで、楽しい買い物体験をすることができた。そんな経験はありませんか?御殿場プレミアム・アウトレットで働く人の、知られざる素顔にフォーカスする「STAFF STORY」。今回の特集では、仕事がキッカケで山にのめりこみベテラン登山者とも渡り合えるまでに成長したスタッフを紹介します。
お客さまは山神様です
「アウトレットの他のお店の人たちと山仲間になって、みんなで山岳部を結成したんです。御殿場プレミアム・アウトレットから望める登ることのできる山は、全て登ってみました。山頂で作った旨辛チゲうどんは最高でした」


落ち着いた口調ながらも、熱く登山の魅力を語ってくれたのは「MAMMUT(マムート)」の岩瀬寿々香(いわせ すずか)さん。豊富な山の知識を生かし、お客さまが最適なアウトドアグッズに巡り会うためのサポートをしています。
「普通のアパレルとは少し違いまして、例えば冬に3000mの山に登りたい時と、逆に真夏に700mの山に登りたい時とでは必要な装備が変わってくるんです。お客さまには、この山だったらこういうウェアがいいですねとか、こういう靴が必要ですよとアドバイスをしながら一緒にアイテムを選ばせていただいています」

「お店に来ていただくお客さまの中には『日本百名山を2周目まわってます』という”山神様”みたいな方たちがいるんです。もう神様なので、こちらから何か商品をお薦めしても『違う!その山はこれではない!』と教えていただけるので、そうなんですね!勉強になります!と学ばせていただいたり“山神様”のオススメの山を聞いて登りに行っています」
扱っているのは、登山者の命を預かる商品
「以前は、いわゆる“ギャル服”の販売員をしていたんですが、その頃は山に登る人がいることすら知りませんでした。山って登れるんですか?遠くから眺めるだけじゃないんですか?って」

自営業に憧れていた岩瀬さんは、20代前半に起業しアパレルショップを経営。その後、結婚、出産といったライフステージの変化に伴い、御殿場プレミアム・アウトレット内で働く道を選びました。いくつかのファッションブランドを経て辿り着いたのが、アウトドア関連グッズの販売員。しかし当時は「山のことを知らないから学びにいこうかな」といった軽い気持ちだったため、その知識不足から満足のいく接客はできていませんでした。

「働き始めてすぐの頃に、防水と撥水の違いもよく分からないまま商品説明をしてしまったことがあるんです。そのお客さまには『どう見ても防水じゃないでしょ。縫い目に防水加工がされてないし、この生地は水を通すに決まってるよね。そんなの案内してお客さんを山に行かせたら死ぬぞ』と厳しいお叱りを受けました。あとで知ったことなんですが、雪山などの過酷な環境で体が濡れて風に吹かれたりすると、低体温症になって本当に命を落とすこともあるんです。お客さまは、そういうことを真剣に教えてくれたのだと感謝しています」
勇気をもって踏み出した一歩が、もたらしたもの
自らの接客が、ときには命に関わるものだと気づいた岩瀬さん。取り扱う商品の知識を得るために、そして何より登山をする人の気持ちを深く理解するために。まずは御殿場プレミアム・アウトレットから近い地元の山、箱根外輪山の一角、標高1212mの金時山に登ってみることを決めました。


「実際に登ってみて、装備の必要性や山に行かなければ気づけなかったことをたくさん知ることができました。それから、何だか知らない世界に踏み込んだみたいで、山に登ってから自分の価値観が変わりました。仕事での悩みも色々ありましたが、必死に山頂を目指して登山をしているうちに、いつしか悩むことを忘れている自分に気づきました。山頂からの景色も素晴らしくて、御殿場市内が一望できました。そのとき、アウトレットの中にある自分の店が豆粒みたいに見えたんですね。悩んでる自分が、ちっちゃいな!別に悩まなくてもいいのかなって、心が軽くなりました」
初めての体験に衝撃を受けた岩瀬さんは、自ら「登山の良さを実感して、山に大ハマりしてしまいました」と話すように、その後も道中の絶景や爽快感を求めて山への挑戦を繰り返していきます。そうしているうちにアウトドアグッズに詳しくなったばかりではなく、店を訪れる登山上級者のお客さまとの会話も弾むようになったといいます。
「丹沢エリアに塔ノ岳という、健脚な方たちに人気の山があるんですが、登りが結構キツくてちょっと悟りを開いた気がします。斜面を4時間くらい登り続けるんですけど、もう9割くらい登ったかなと思って地図を見ると、まだ3割くらいで。ずっと傾斜もキツく、登っても登っても辿りつかないんです。そのうち、頂上に着かなくてもいいんだ。この一歩一歩を続けるのが大事なんだと、ふーっと心が無になっていくのを感じました」

「山に詳しいお客さまの間では、塔ノ岳の大倉ルートは通称“バカ尾根”という名前が付いているんですが『バカ尾根いった?どうだった?』みたいな会話を楽しめる程度には山に詳しくなりました。接客でも例えば、今このルートは封鎖されているので別のルートの方が良いですよとか、地図に書かれているトイレが実際は無いんですよとか、自分が登山をして得た“生きた情報”をお伝えすると『助かるよ!ありがとう!』と喜んでいただけます。それが何より嬉しいです」

山頂を目指すのではなく、その道のりを楽しむ
最愛の夫と娘2人に囲まれながら、充実した日々を過ごしている岩瀬さん。 登山により視野が広くなった影響もあってか、将来に対する考え方がこの数年で大きく変化していました。
「20代の頃は、とにかく仕事で頑張って、たくさんの時間働いて結果を出してお金を稼げば、将来的に家族のためになるだろうと思っていました。でもつまずいて、考えました。10年20年先のために家庭を顧みず頑張ったとしても、その時もう自分の子どもは大きくなってしまっている。子どもは、いまの自分を見て欲しいんだということに気づいたんです。そうして、自分の考え方や価値観が変わったことに気づきました。自分と同じように周りも変わっていくものなんだと。夢も目的も、環境も心も、そのときどきで変わることに気づきました。だから、いまを精一杯過ごすことの方が大事だなと考えるようになったんです。いまを明るく爽やかに生きられるようにすることを心掛けて、あまり未来のことを考えるのはやめました。山登りと同じで、一歩一歩毎日を踏みしめて生きていたら、きっとその先に道が見えるし、いつのまにか山になっているのかなと。いまを生きるという積み重ねを大切にしています」

日々の小さな幸せを、つなぎ合わせて
晴れやかな表情で「明確な将来の夢があるかというと、無いんです」と話す岩瀬さんですが、実は“小さな目標”を数えきれないほど持っています。スマートフォンに書き溜められた“等身大の願い”の数々。その一つひとつを叶え続けることこそが、確かな幸せを形作っていました。

「本当にささやかな目標が多いんですが、例えば実現したもので言うと、かぼちゃピザを作る、サウナで整ってみる、サイクルスポーツセンターに行くとかですね。これから叶えたいと思っていることは、子どもたちと車中泊にトライする、大きな肉まんを買ってお昼ご飯に持っていくとか他にも色々とあります。 自分と、自分の大切な人たちが何をやりたいのかを考えて行動するようにしています」

「今年一番の目標はダンスがうまくなることです。今年の初めに流行りのダンスを踊ろうとしたら、全然うまく踊れずカッコ悪かったのが悔しくて、毎日欠かさず朝晩1時間ずつ練習していたらかなり上達したんです。最近は娘2人と一緒にダンススクールにも通うようになって、御殿場の夏祭りでステージにも立ちました。そのうち大会やコンテストにも出たいと思っています。これからも、その時々に情熱を注げることや心が動くことをやりながら、起こる出来事や流れに身を合わせ、楽しみながら生きていきたいです」

「昔は山に登る時も何か考えごとをしながらが多かったんですが最近は考え方が変わって、先々のことについて悩むことがなくなったので、単純に登山を楽しめるようになってきています。山が好きですね」
秋限定、紅葉登山のオススメスポット
仕事がキッカケで登山に目覚め、毎週のように山を訪れるほど、その魅力にとりつかれた岩瀬さん。昨年、念願の富士登山も達成するなど、これまでに少なくとも40以上の山を制覇しています。最後に、今の季節ならではのオススメスポットを教えてもらいました。


「山梨方面に車で1時間ほど移動したところに昇仙峡という岩山のエリアがあるんです。紅葉のメッカなんですが、ロープウェイで山頂まで行くことができて、そこから10分ほど本格的な岩登りも楽しめるんです。山に不慣れな方でも“インスタント登山”みたいな形で気軽に行けて、最高の山景色を見ることができます。麓には、ほうとうとか野菜とかお土産とか楽しいものがいっぱいあって、綺麗な滝が流れていたりもするので、ぜひ家族でもデートでもプライベートでも足を運んでいただきたいです」

- プレミアム・アウトレットHOME
- 御殿場プレミアム・アウトレット
- STAFF STORY
- STAFF STORY#5