接客のプロと“自分らしいコーデ”を見つける幸せ

STAFF STORY #1

篠木 真雅さん United Arrows

Jun 7, 2024

みなさんは御殿場プレミアム・アウトレットの魅力って何だと思いますか?富士山を眺めながらのショッピングや人気グルメの数々は、もちろん魅力的な要素の一つですが、接客ひとつで“自分好みの全身コーデ”があっという間にできちゃった、なんて経験ありますよね!
今回の特集では”働く人”に注目。国内最大規模のアウトレットでお客さまを迎える約4000人のスタッフ一人ひとりの思いやエピソードを知ることで新たな魅力に出会えそうです。

感謝の気持ちを込めた「いらっしゃいませ」を心に届ける

「やっぱり悔しいんですよ、安さが全面に出るのは。アウトレットの安くお得に買えるだけじゃない付加価値を、どうしても体験してもらいたいんです」

まるで太陽のような眩しい笑顔で、接客にかける熱い思いを語ってくれたのは「ユナイテッドアローズ」で働く篠木真雅(しのき まさのり)さん。
篠木さんは同ブランドのスタッフ全体で、わずか数%だけが名乗ることを許される「セールスマスター」に認定されている“販売のスペシャリスト”です。過去には、様々な商業施設の代表が集まる「SC接客ロールプレイングコンテスト」の中部大会(主催:日本ショッピングセンター協会)で審査員特別賞を受賞した経歴を持っています。

「店頭での接客販売をはじめ、アウトレット店舗は本当に様々な業務があります。お客さまと接する時間を作るために、いかに効率よく仕事を進めるか意識して取り組んでいます」

何よりも「接客にかける時間を増やしたいんです」と話す篠木さん。実はすごく几帳面で、自宅のクローゼットでは「服は色ごとにグラデーションに並べるのがこだわり」なんだとか。その性格を仕事にも生かし、商品の出し入れをスムーズに行えるようストック環境を常に整えておくなど、見えない部分にも力を注いでいるといいます。

悔しさをバネに磨き上げた接客スキル

「もともと音楽大学に通っていて、オーケストラでトロンボーンを担当していました。人前で何かをする機会が多くて、コンサートや演奏会とか、自分一人ではなく沢山の仲間と一曲を作り上げるとか、お客さまに届けるということをやっていました」

(右から3番目が篠木さん) 
(右から2番目が篠木さん)

学生時代から人と接することが大好きだったという篠木さんは、もともと洋服に興味があったこともあり、地元・千葉に2014年「酒々井プレミアム・アウトレット」がオープンしたことをキッカケに、アパレルの世界に飛び込みました。

「入社当時はレディースフロアの担当で、右も左も分からない中で『ちょっと女性のスタッフに代わって』と言われることも多かったです。そういうスタートラインに立てていない悔しさから、どうしたら良いんだろうと考えました」

悔しい思いをバネに、コツコツと努力を積み重ねていった篠木さん。
「当時の自分は、お客さまがいつご来店して、どんな商品を買ったとか、会話で知った内容、例えば趣味がインテリアで、といった情報をノートにまとめていました。2回目に来てくださってありがとうという気持ちを伝えるための事前準備は、それぐらいやらないとって思っていました」

もともと心配性で「100%いい接客ができたと思ったことはないんです」と話す篠木さんですが「こうしたほうが、もっと喜んでいただけたのかな?というのが常にある分、逆にそれが自分の成長のキッカケというか、じゃあ次もっとこうしてみようという繰り返しですね」と、向上心は人一倍。

プライベートで他の店舗を訪れる時にも「ここまで気配りできてるとか、指先まで意識しててキレイとか、こういう言葉の表現素敵だなとか、自然と考えてしまっているのが自分でもビックリです」と、接客スキルの吸収に努めるほどです。

「この仕事向いてるのかな?大丈夫かな?と思うことがあるんですが、落ち込んでいる時に限って、お客さまが温かいお言葉で『すごい良いお買い物ができたよ、ありがとう』とか『また来るね』とか声をかけてくれるんです。そういう声に救われます」

多くの人に支えられながら、着実にステップアップを続けた篠木さんは2017年「ユナイテッドアローズ アウトレット 御殿場店」に異動。老若男女、国籍を問わず様々な方が訪れる環境だからこそ、よりいっそう一人ひとりの思いや意向を汲み取れるようになったといいます。

「『御殿場だったら絶対何かあるよね』というモチベーションの方が多い印象で、期待値が高いからこそ応えたいと思っています。最近だとワンちゃんを連れてる方とか、沢山のお荷物を持っている方が商品が取りにくくないかなとか、ベビーカーが通りにくくないかなとかを見ています。海外のお客さまも多いので、英語は喋れないけど気持ちで伝えようとか、些細なことでも自分との共通点が無いか探すようにして、心の距離感を縮められるように、いつも意識しています」

快適な店づくりに必要なのは仲間とのコミュニケーション

お客さまからの期待に応え続けることで少しずつ「あの時ありがとう。今日もまた服を選んでよ!」と指名を受ける機会が増えていき、いまや篠木さんはメンズフロアのリーダーとして後輩を育成する立場になりました。「どういう視点で、自分が気を配っているのかというのを、もっとたくさん後輩たちに伝えていきたいと感じてきています。困った時の引き出しを増やしてあげたいなって。こういう時にこんな方法もあるよというのを伝えていきたい」

「一緒に働くメンバーにも感謝しないと、この店すごい気分がいいなっていう空気感は出せないんです。年末年始商戦が終わった後の休みに同僚と温泉に行ったのは幸せでした。乗り切ったー!って」

快適な店づくりのためにスタッフ同士で「定期的に食事の機会をとったり。みんなでお疲れ様会をしたり、ささいなことでもコミュニケーションをとるようにしています」とチームワークを高めるよう心がけているという篠木さん。

「ご来店いただいた感謝の気持ちをどうやって伝えようか、定期的にみんなで考えています。心に届く『いらっしゃいませ』を言うためには仕草や表情も大切ですし、疲れた時こそ意識できるように声を掛け合ったりしています。少しでもそこに近づける努力を、届ける側は追求していきたいです」

着るたびに思い出す「あの時は最高だったね」を目指して

プレミアム・アウトレットで働き始めて間もなく10年。篠木さんに、今の思いを聞きました。「自分の中でポリシーがあるんですが、結構テーマパークみたいじゃないですかアウトレットって。お客さまが『行って良かった』と思う時って、買った服を着た時に『あの時はやっぱり最高だったね』って、その買い物の思い出がどれぐらい蘇るかだと思うんです。そこまでが”最高のショッピング体験”なので、そういう働きかけをすることがショップスタッフの務めだなと思っています」

楽しかったショッピングの思い出が、いつまでも心に残るような接客を意識しているという篠木さん。実は今、仕事に負けないくらい熱中している趣味がありました。
「ミュージカルがすごく好きで観に行ったり、元劇団四季の方が主催しているコンサートに出演してミュージカルソングを歌ったりしています。全部ユナイテッドアローズで買った洋服を衣装にして出ています。もしミュージカル好きなお客さまがいたら、熱く語り合いたいです」

仕事に趣味に全力投球の篠木さんが、いま目指しているのは「プレミアム・アウトレット 接客ロールプレイングコンテスト 全国大会」への出場です。上位入賞者3名に贈られる「アメリカ研修」も、モチベーションを高めている理由の一つなんだとか。

「指導側にまわっていたけど、自分もまだまだやれるしやりたいと思って。接客力の向上といった点で伝える側もレベルアップしないといけないと思ったので参加することにしました。御殿場プレミアム・アウトレットの看板を背負ってアメリカに!っていう野心は抱えています。ブロードウェイのミュージカルを見たいんです(笑)」

最後に、篠木さんの将来の夢を聞くと「自分は目標から逆算してプランニングする方ではないので」としたうえで、こう話してくれました。

「結構、目の前のことを一生懸命頑張るタイプなんですよ。その時に全力を尽くしたことの積み重ねで、結果こうなってたねというので今まで来ています。将来の選択肢を広げるために今できることを沢山やりたいです」